全豪オープン観戦記②

さてDavid VS Sebasの試合、ギリギリのポイントながらも、なんとSebasが2セット先取!!あと1セット取ればSebasの勝ち。マリエちゃんも「結局世界ランキングとか関係ないこともあるんだよね〜」と。もうこの頃になると「カモ〜ンSebas!!」などと大声で叫び始めていた。周りの子たちはそんな私が面白かったようだが。ここまでで約2時間が経過していただろうか、定かではないが、40対40でディュースになると、一度決めるとアドバンテージとなり、もう一本決めないと勝利できない。一度アドバンテージを取っても、次に相手が決めると、またディュースに戻ってしまう。そんなことが長く続くと歓喜と落胆が交互に来て結構疲れるものだ。でもその分エキサイトするのだが。私とユウコは審判が「ディュース」という度に真似して「ディュース!」と声を揃えて言っていた。おばかである。
次のセットでは6ゲームずつお互いに取った。先に6ゲーム取ると1セット取ることになるのだが、相手がもし5ゲーム取ってしまっていたら、7ゲーム取らなくてはいけない。要は2ゲーム差で勝たなければ行けないのだ。うーむ複雑。6ゲームずつお互いに取った場合は「タイブレーク」と言って、先に7回決めた方がこのセットを取ることになる。これはかなり珍しいそうだ。これまでのように「0→15→30→40」とはならない。単純に決めた数がポイントになる。ここでSebasは負けてしまった。「Oh〜No〜!!」だ。しかしマリエちゃん曰く「まさ、Sebasは2セット取ってるからね〜でもこの試合長引くかもね」と。私はSebasがリードを許すと「起死回生で頑張るんだ!」と言い続けた。試合中、そうだ動画で映像が取れるんじゃないかと思いつき、バッテリーが切れかけたカメラを駆使して動画を撮ったが、豆粒みたいでほとんどよく分からない映像になってしまった。しかし、せっかく取ったのでUPしよう。あまり面白くはないので、暇な人は観てね。テレビで観る方がよっぽど臨場感がある。画像もyoutubeにUPすると荒くなってしまうしね。おお〜いま1時間かけて画像をUPしようと試みたが、何故かうまくいかない。私のカメラが古いからだろうか…残念。


さて、私がカメラの画面をじっと見ながら手を動かさないようにし、撮り終わると友人が「ちょっと、nekosiro何やってんの!nekosiroが応援しないから今のゲームSebas取られちゃったよ!」「だって、デジカメでムービー映像撮っていたから、試合で何が起こっているのか全く分からなかった…」というと「デジカメなんだから一度固定して自分は試合を直接観ればいいじゃん。」隣のユウコも「なるほど、私もずっと画面を観ちゃったよ…そうか直接観れば良かったのか」と二人で納得。私のせいで負けたとあっては応援に熱が入る。ラリーが続く。次のゲームはSebasがなんとか取った。私はトイレ休憩。チケットを持ってロビーに出ると、入れずに待っている人々の長蛇の列。トイレをすませロビーにあるテレビ中継を観る。「おお〜Sebasはこんな顔だったのかぁ。意外とヒゲが濃いなぁあ。」などと考えつつ、休憩時間に中に滑り込む。するとまた同じ友人が「ちょっとnekosiroどこ行ってたの?nekosiroがいない間に今のゲーム取られちゃったよ!!」「なぬっ!!」更に応援に熱がこもる。Sebasが決めるたびに歓声を上げる私。そして次のゲームがSebasが取る。「やっぱり私は勝利の女神なのね」とみんな納得。


しかし、Sebasのサーブがだんだん決まらなくなってきている。そして相手に走らされている感がある。相手のDavidのスタミナは落ちていない感じがする。そしてDabidが2セット目を取る。タイだ。もう、どっちが勝つか分からなくなってきた。2セットSebasが先取した時点でSebasの勝利を信じて疑わなかった私も、さすがに「これはヤバイ状況?!」と思い始めた。私は「勝利を信じて疑わない」という特性を持っているなぁ。テニスを観ながらそんなことを考えた。父が末期癌で余命2ヶ月と言われた時も、治ることを信じて疑わなかったというか、絶対に治すと絶対的に思っていたものなぁなんて思い出したりした。
Daividのサーブが次々と決まってしまう。それでも必死に食らいついていくSebas。Davidが次々とゲームを取っていく。ああ…私とマリエちゃんは手を組んでまるで神に祈るように応援していた。Davidのセットポイント。あと一つ決めれば彼の勝利が決まる。しかし私たちはミラクルを信じ、応援に更に熱が入る。


残念。Sebasは負けてしまった。しかしよく頑張ったと思う。←って何様?ってかんじだが(笑)試合は4時間にも及んだ。しかしあっという間だった。(他の人は長くて疲れたと言っていたが私はのめり込んでいた)
帽子を後ろ向きに被ったSebasは会場を後にしていった。その後ろ姿に私はありがとうと言った。
私たちは落胆と、最初に2セット先取していたのに負けることがあるなんてという驚愕で興奮が冷めなかった。ヒーローインタビューというのだろうか、勝ったDaividに司会者がマイクを向ける。所々単語が分かる物の、何を言っているのかイマイチよくわからない。「こういう英語が理解できるようになりたいよねぇ」とみんなでうなずきあった。
Sebasよ、感動をありがとう!!


つづく。