メルボルンカップ

本日はメルボルンカップで休日。オーストラリア内の最大級の競馬フェスティバルみたいなものかな(?)昨日からラジオはメルボルンカップのことで持ちきり。数日前からCITYには着飾った女性達が沢山いた。

 


私もせっかくメルボルンにいるのだから着飾って出掛けようと考えていた。しかしホストファミリーは行かないとのこと。知り合いの人に聞くと、入場料で50ドルくらい払って入っても、結局中まで入れず、動けないくらいの人混みらしい。その人曰く「着飾った飲んだくれを見に行くようなもんだよ」とのこと…まぁ、それだけではあるまいが、ともかく行くのは止めにした。ホストと一緒にテレビで観戦しよう。


メルボルンカップ当日、前日に本を遅くまで読んでいたせいで起きたのは11時頃。もうすぐお昼の時間だからとリンゴを一つ食べる。するとホストファザーのCOLが「今日はこれから二つのことがある。」となにやら説明しだした。イマイチよく分からないが、とにかくこれから30分後に出掛けること。色々な所に行くからカメラを持つこと。寒いから暖かい格好をすると言うことだけが分かった。どこか観光に連れて行ってくれるのかなぁなんて思っていた。ホストマザーのJANは豆腐を揚げたり色々な野菜を調理をしている。出掛ける準備をして車に乗り込む時に、JANがワインとコーラのボトルを抱えていた。んっ?もしやピクニックか?バーベキュウやピクニックが大好きのオーストラリア人。でも今日はかなり寒いぞ…車に乗るとJANが地図を出して、「これからこの道を真っ直ぐ行って曲がって、また真っ直ぐ行って…そしてビーチにいくのよ。」と言った。そうか、ビーチでランチかと納得。
COLの運転は荒い荒い。普通の道ですいていれば70キロ、80キロ超していることもあった。オーストラリア人は運転が荒い。急発進、急停車、猛スピードのドライブが続いた。


そうこうしている内に、閑静な住宅街に入った。車の速度が落ちるとJANが「確かここら辺だったはずなのよ…多分あの家だわ!!」車が止まりJANが走って確かめに行く。OKサインが出た。ん?この家に何の用事があるんだろう…車から彼女が作った料理と飲み物を運び出す。家に入ると家主が笑顔で迎えてくれる。大きなハグと挨拶の後に私たちが紹介される。すでに二人の女性がいて、ワインを飲んでいた。1人の女性は赤いスパンコールのジャケットに黒い花飾りの付いた大きな帽子を被っていた。そうか、この家でメルボルンカップのパーティをするのか!と今頃になって理解した私。とても大きな庭があり、素敵な家。

   

続々とお客さんが現れる。みんな手には料理と飲み物を抱えている。そして大きなハグ。オーストラリアではBYO(Bring Your Own)という「自分のアルコールは自分で持ってくる」という習慣がある。まさにそんな習慣の典型的なパーティだ。中には美味しそうなケーキを持ってくる人もいた。20人近くの人があつまり、リビングやキッチンでひしめき合いながら料理とワインとスィーツと会話を楽しむ。赤いスパンコールの女性以外はみんな普段着だったので一安心。なんせ、私はそこら辺を見て回るのだと思っていたからメチャクチャラフな上にノーメイクだ。大きなケーキが出され家主がホイップクリームを泡立てている。苺のへた取りを手伝う。聞くと、このケーキはオーストラリアの伝統的なケーキでPAVLOVAというらしい。デコレーションはとても大雑把。オーストラリア人気質を見せつけられた感じだった。とにかく、ケーキの上だけにドバッとクリームを乗せる。その後にキュウイと苺を乗せる。一体どんな味か楽しみだ。数えてみるとケーキは合計で4個あった。なので、あまり料理を食べ過ぎるとケーキが入らなくなるなと思いセーブする。唯一お肉が入ったパイ。美味しかった。他の料理は見事に野菜ばかりだった。みんなベジタリアンなのかな?!でも、どの女性もでっかいのは何故…???

 
 


これがPAVLOVA↓
 

 

 

途中からきたLeyonというおじさまが、いたく私のことを気に入っていた。白いTシャツに黒いジャケットとジーンズにシンプルなネックレス。それが嫌みじゃない。彼が持ってきたシューの中にチーズカスタードが入ったケーキは美味しかった。彼はとても分かりやすい英語でゆっくりと話してくれた。(パーティなど沢山の人が集まると、みんな一気に早口で話すので、ほとんど何を言っているのか分からないこと多し。)私は甘いものは苦手なのでPAVLOBAもほんの少し皿に取った。驚いたことに中が白い!スポンジだとばかり思っていたが、食べてみるとヨーグルトムースのような味だった。しかしやはり甘すぎて、それ以上は食べれなかった。その他のケーキは私が知らないうちになくなっていた(笑)女性陣が太る理由がよく分かった気がする…甘いものをとにかく沢山食べる!ちょっと自分の一年後が怖くなった。


SusanneとJaneがタッパーを持って2$ずつ集め始めた。何の説明もなく「2$ね〜」と言われたので、料理代か?と思いつつ、でもBYOでは?場所代?などと考えながら払う。いつのまにかテレビがついていてメルボルンカップの出走馬などが紹介されていた。みんなワラワラとテレビの前に集まり出す。すると、お金を集めていた彼女たちが紙を切ってピンクの帽子に入れている。そして1人ずつ名前を呼ばれ、その中から一枚紙を引く。見せてもらうと、出走馬とジョッキーの書かれた紙だった。何かの雑誌を切り抜いたんだろう。そうか、さっきの2$は掛け金だったんだ!そういえば知り合いが家族の中でも1$とか賭けて遊ぶよと言っていたことを思い出す。そのうち「nekosiro〜!」と呼ばれた。がさごそやって一枚引く。

 

私や何人かは二回呼ばれ二枚引いたが、中には引いていない人も。タイ人のRaoも「僕引いてないよ」と言う。「じゃあ一枚あげるよ、どっちがいい?」と聞くと「nekosiroが決めてよ〜」と言う。そこでSusanne夫妻にどっちの馬がオススメ?と聞く。薦められた方を手元に残し「じゃあこっちをあげる!」とオススメでない方をRaoあげた(笑)みんな笑っていた。よく見ると私の手元に残った馬は日本の馬だった。いよいよレースが始まる。

馬が沢山いすぎて、どこに自分の馬がいるのか分からない。しかし、最終版、私のチケットに描かれているジョッキーを乗せた馬が前に出てきたのがわかった!!みんな「カモーンカモーン!!!」の連発。私も思わず「カモ〜ン!!」頭の差で私の馬は二位に。しかし何と一位の馬も日本の馬だった。すごい!みんなが「日本すごいじゃん!」と私に言うので、何だか私が褒められているみたいで嬉しくなった。

 
レースが終わってリラックス。まだテレビに釘付けの人も。

 
私は12$もらえた。10$の賞金ということだ。オススメをRaoあげなくて良かったと思った。(笑)


私は日記やら覚えた単語やら何でも書いている小さなノートブックにみんなに名前を書いてもらった。よく留学やワーキングホリデーに行く人が「出会い帳」というのを作るといいと言っていたのを思いだしたからだ。そこには多分メッセージなども書いてもらうのかもしれないが、とりあえず名前を書いてとお願いした。みんな住所や電話番号まで書いてくれる。中にはe-maileも。私は自分の趣味が茶道であること、着物や茶道の道具を持ってきていてCOL&JANの家でお手前したことなどを話した。みんなとても興味を持ってくれた。「もし見たかったら、いつでも言ってね。あなたの家でお手前するから!メールで写真をおくるね」と約束した。この場に写真を持ってくるんだったなぁと少し後悔した。日本の文化を通して色々な人と交流の輪が広がったらいいなぁと思う。


メルボルンカップに着飾っていくよりも、きっと数倍楽しい時間を過ごせた気がする。
そんな時間をくれたCOLとJANに感謝。