念願かなって…

9月1日の誕生日は私にとって最高の日になった。沢山の人に祝われ、自分の人生に展望も持つことが出来て。


プラスして最高の出来事があったのだ。


誕生日前日に、たまたま友人に誘われてフリーレッスンのある六本木のサルサクラブに行った。私は社交ダンスのラテンを大学時代にサークルでかじったが、サルサはやったことがない。先生はCUBA人の…名前を忘れてしまったけど、黒人の筋肉隆々の人。日本語はペラペラだが、時々教えている最中に、どうしても自分の言いたい日本語が思い出せずHmmm…という場面もあったが、至って明るい。基本的なステップを教えてもらい、男性と組んで踊ってみることに。ペアになった男性も初めてのレッスン。ステップ自身は二人とも出来たのだが、回転するときに組んでいる手がどう回るのか分からず、結構大人数の中「すみません、Excuse me〜」と全体を止め(笑)先生に質問。すると私と組んで踊ってくれた。そりゃあもう上手いの何のって…とても気持ちよかった。そして、先生、お手本を見せた後に私に「Where are you from?」ってさ。「Oh〜!No〜!I'm Jpanese!」「Really???」「Yes!Jpanese〜!」なかなか信じない(笑)ちょっと余計な一言だったけれど、カタカナ日本語で「スゴク、メガ、キレイダヨ〜!ホント、ニホンジンジャナイミタイダヨ〜」と褒めてくれたからいいか。褒めてるのか?!フォローなのか?!
しかし、少ししか踊らなかったが、私のダンス魂は目覚めてしまった。完全に。


夫は結婚する前に幾つかの約束を私とした。しかしほとんどが破られている。その内の一つが「結婚したらnekosiroとダンスを習って踊れるようになる」だ。彼は結婚してから私が何度も説得を重ねたが、頑なに「絶対に社交ダンスだけはやりたくない」「型にはまった踊りは嫌だ」と言う。ロックやテクノで自由に身体を動かして踊りまくる彼は、どうやら社交ダンスのラテンの魅力が分からないらしい。まずは体験レッスンにと言うがそれもダメ。ところが彼がいつからか「サルサならいいよ」と言いだした。「あ、でもまずは体験レッスンして、気に入ったらやるけど、あんまり合わなかったらやらない」とも言っていた。彼の職場の近くの六本木にはサルサクラブが沢山あり、サルサのフリーペーパーなども街頭に有り夫が持ち帰ってくるようになった。それでも私は社交ダンスにこだわっていたので、サルサにすぐ頭が向かなかったのだが、自分がやってみて、しかも格好良く踊っているホールの人たちを見て「これはいける!!」と思ったのだ。まるで映画「ダンシング・ハバナ」のようだった。帰り道私は考えた。「そうだ、明日の誕生日は夫は仕事だけれど1時間くらい抜け出してもらってサルサの体験レッスンを受けよう!」と決めた。自分の中で勝手に。そして、夫が以前見つけてきた夫の職場近くの麻布十番にあるスタジオに行くことにした。夜遅く帰ってきた夫に話すと「うん…別にいいけど」あまり乗り気ではなかったが、意気揚々と語る私と「明日は誕生日だし!」という決定打に押されて、仕方なしに承諾した感じだった。ネットで調べてみると社交ダンスからサルサアルゼンチンタンゴなど幅広いレッスンを行っているスタジオだった。先生の経歴は文句なし。しかし、踊りの相性、人間性の相性がある。まずは私が30分間、社交ダンスで体験レッスンをして相性や先生の教え方を見極めて、良かったらこのスタジオでサルサを習おう!と私の中では既に体験レッスンを通り越して通うことに決まっていた。


先にスタジオ入りした私は先生と話しながら幾つかラテンを踊る。久々過ぎて、ふくらはぎがパンパンになる。でも、気持ちいい〜!!気持ちよく踊らせてくれる先生だ。この先生は当たりだ!!と生意気にも先生を評価。踊っている途中で夫登場。「あれ、随分格好いいじゃない旦那さん」とな。私たちの踊りを見ている夫。どう思ってるんだろうな〜「やっぱり社交ダンスもいいね」なんてならないかな〜と期待を込めて魅力的に見えるように踊る。(帰ってから聞いたが、効果はなかったようだ)
そして二人でサルサの基本的なステップを習う。少しずつ習い、組んで踊ってみる。やっぱり夫と踊れるのは嬉しいなぁ。としみじみ思う。いつもは音楽に乗ってリズム感バッチリの彼も、ステップを覚えるので精一杯で棒立ち状態で目がどこか一点を見ている。その真剣な様子も可愛らしい。少しだけ二人で踊れるようになった。40分教えてもらい、ベーシックのステップと二つのステップを組み合わせることができた。
そのまま、「じゃあ次のレッスンいつにする?」と夫に自然に切り出す。「うーんと」と手帳を出す夫。やった!!サルサスタジオに通うことになった〜!!念願かなったという感じで感動した。


家に帰ってきた夫に感想を聞くと、「まだ覚えるのが大変で楽しむまでいかないけど、でもできそう」と。「じゃあ復習する?」とフローリングで練習。ん〜楽しい(>_<)もっと早くサルサの道を選んでいれば良かった〜


夫よ、ありがとう。私が日本にいる二ヶ月一緒に踊って、オーストラリアに旅立った後は、1人レッスンに通い、上手くなったらクラブデビューしてね。私が帰国したときには私をクルクルと回しておくれ。


28歳の誕生日は新しいことを始める日にもなった。サルサという情熱のダンスを始める日に。今年一年、これからの人生を情熱に満ちたものにしていきたい。