嫁入り道具?!

母と一緒に「きもの やまと」の創業90周年記念・やまと美裳会に行ってきた。毎年、立川のパレスホテルで開催されているのだが、行くだけでバックなどがもらえるし、目の保養になるので毎年行っている。
私は茶華道を小学生の頃から習っていたのと、母の小学校の同級生が「やまと」で働いていて目利きがいいと言うことが手伝って、何枚もの着物を作ってもらった。
しかし、もう結婚したと言うことで、着物を買うのも自腹になった。とてもじゃないけど手が出せない。のだが…去年、同じ様な会に行ったとき、運命的とも言える着物に出会ってしまい、それを買い求めた。もちろん母に借金でだが。夫には驚かれ、ぶーぶー言われ…今回は絶対に買わないぞと腹をくくって会場に着いた。


今回の美裳会のテーマは「ルーブルへのいざない」ということで、ルーブル美術館とのコラボレーションだった。面白いけれど、誰が着るんじゃい…ってかんじだった。しかし面白いので紹介しよう。

わかるかな?これは「微笑の謎」という題名で作られた着物でよ〜く見るとモナリザの微笑みが見えてくる。
着物を着てしまったら見えないではないか…まぁそれが「謎」ってこと?とか思いつつ。
着るとこうなる。正面ではなく背中を見せて欲しい物だ。

ルーブルでも有名なサモトラケのニケをあしらった訪問着も。

ちょっと光ってしまってわかりにくいが。

他にもジンセン(漢字は忘れてしまった)先生という人の作品は独特の油絵の様な色彩で目を惹いた。しかし、相当顔の濃い人じゃないと着こなせないだろうなぁと思う。その点私は顔濃いから似合うかなぁ何て思ったりして。

その先生の他の作品。写真よりもっと色が濃く魅せられた。絵柄も大きな魚や不思議な図で現代アートのようだった。他の作品。

案内の係の人がついて、色々説明しながら、色々着せたがるのだが、私たちは買う気がなかったので色々感想を言いながら見て回るだけだった。最後に近づいてしまい、私たちのお目当ての品はなかった。お目当てと言っても買う訳ではないのだが、なんと、母の友人がデザインした着物が今回発表されているのだ。今回はそれを見に来たと言っても過言ではない。しかし、人気があるらしく、色んな人が入れ替わり立ち替わり着ているようでなかなか見ることが出来ずに最後まで来てしまった。慌てた担当者は最後のコーナーでどれか是非着てみてお時間をつぶしてくださいな〜と言う。ちょうど西陣の宮繍苑という所で、絽の着物を扱っていた。美裳会には各地から織り手さんが商品を持って集まっているのだ。特に興味もなかったのだが、担当者がしつこく言うので、それではと着せて頂いた。絽の着物は夏の着物。非常に薄い。透けて見える生地で、特にここの絽は面白い趣向を凝らしていて波模様をところどころにあしらってある。黄色から薄い緑にグラデーションがかかっている。二枚の帯が持ってこられどちらがいい?と聞かれ、こちらと選ぶ。その他小物も選んでいく。(下左写真)

  

同じ様な色で少し肌色っぽい絽でツタ模様が綺麗で、網状の刺繍が施されている物も着てみたが、どうも顔の色が黒すぎて、この色だと顔がくすんでしまう。ツタの模様は好きだったが。(上右写真)着ているうちに、やっと母の友人がデザインした着物がきたので着せて貰う。銀杏があしらってあり、とても上品で豪華だ。

小さくてわからないかな。3枚の写真とも同じように見えるね…
私たちは目的も果たして帰るつもりだったが、そこで離さないのが母の友人。「絽を一枚作っておけば、もう全てそろうじゃない〜」すると母が「こちら様が払いますから、こちらに行ってください(笑)」と私に話しを向ける。私は「今我が家にはそんなお金もないし、借金もこれ以上増やしたくないから買わないよ〜」と言っていた。「あら〜嫁入り道具で買ってあげたら〜?これが揃えば、もうどの季節でも困らないんだから。」だんだん母の心が動かされていく。母の友人は見立てもいいし、言葉も巧みだ。良い意味で。「老後の面倒見るって事で買って貰ったら〜」と今度は私に言う。「いや、別に着物を買って貰わなくても面倒くらい見るけど」そのうちに母が「nekosiroちゃんが本当にいいと思ったなら買ったら?いいわよ。」という。「いいわよって?」と色々話し合いの結果、まぁ自分が死んだときの遺産相続みたいな物として現物支給を先にしておくみたいな所に決着した(笑)しかし「嫁入り道具」って私が結婚したのは5年前なのだけれど…(笑)でも、お母さんありがとう〜!!買ってもらったのは最初に着た黄色から緑にグラデーションがかかっている絽の着物。


買って貰うとなれば真剣に小物から選びなおしたいと申し出て、一つずつ真剣に選んでいく。帯揚げ、帯締め、帯、などを選ぶ。


今年の夏には間に合わないかも知れないが、夏に涼しげな絽の着物で銀座でもブラブラしたいものだ。