母の誕生日 ①

3月末が母の誕生日だった。私は、3週間前くらいから準備を始め、弟と姉にバースディパーティーをやろうともちかけた。そして、母に電話して「再来週の土曜日の夜空いてる?」と聞いた。できれば、サプライズでやりたかったのだが、その日に母が予定を入れていたら元も子もないので、一応予定を聞いたのだ。最初は自分の誕生日だとは気付かず「う〜んと、空いてるよ。」と言ったが、次の瞬間「ああ、私の誕生日かぁ!すっかり忘れていたよ〜」と気付かれてしまった。忘れたままでいて欲しかったのに。まぁしょうがない。


プレゼントを何にするか。私としては最近流行っている脳を活性化させるゲームみたいなやつをあげようかと考えていた。物忘れや、言葉が出てこないとよく言っているので。←私もそうだけど… しかし、母の性格を考えると、それをあげてもやらない可能性の方が高い。何しろ面倒くさがり屋なのだ。いや、まめだな…梅干しもつけるし味噌も作るしタクワンも作るし…自分の興味が向かないと全くダメなのだ。う〜ん何がいいんだろうと考え、母と同居している弟に、母が何を欲しがっているか聞いてみた。すると、「電子辞書を欲しがってたよ」とのこと。ふむふむ。最近英語を勉強しようとしているからかな。じゃあ電子辞書にするか、と半ば決定。弟に「英語のために電子辞書を欲しがってるの?」と聞くと「いや、俺が経歴書を書くときに漢字をイチイチ調べるのに『電子辞書があったら楽なのになぁ』って言ってたんだよ」とのこと。うーん、そうかその程度かぁと思い「他にお母さん何か欲しがってるものない?」と聞くと、「昨日、デジカメ欲しがってた」昨日!!まさに最新情報!!そういえば、以前からデジカメを欲しがっていて、一度買ってきてとお金を預かったことがある。しかし、現在使っている一眼レフがまだ使えることと、年金生活でお金がないので買うのをやめたのだった。しかし、毎度毎度旅するときにカメラが重たいとよく言っている。決まりだ!!母の誕生日プレゼントはデジカメで!!


さて、買いに行く役になった私は秋葉原へと赴いた。友人から秋葉原での買い物の仕方を伝授してもらったばかりなのだ。夫からは「カメラメーカーのカメラの方がレンズがいいらしいよ」とのアドバイスをもらう。まずは駅の近くにある店へはいる。デジカメを物色しながら、近くにいる店員に声をかける。「あの〜デジカメって、カメラメーカーのもののほうがいいって聞いたんですがそうなんですか?」「そうですね〜やっぱり。これなんかは、使いやすいですし、いいですよ」と中田が宣伝しているデジカメを示す(以後、中田デジカメと呼ぶ)。色々見て、中田デジカメにしようと決める。そして、値切り交渉開始。4000円下げてくれた。そこで私「名刺をいただけますか?」もらった名刺の裏にカメラの機種と値段を書いておく。「じゃあ、ちょっと他も見てまた来ます。」と店を後にする。次の店でも同じ質問をまずすると「そうですね、カメラ屋さんのがいいですねぇ」と。そこで中田デジカメをいくらまで下げてくれるか交渉する。あそこの店はいくらまで下げてくれましたよと言いながら値切っていく。そして名刺をもらい、値段を書いて…を繰り返していく。しかし、ある店で変化が起きた。かなりメカに強そうなおじさんの店員に同じように「カメラメーカーのカメラがいいんですかね」と質問すると「いえ、必ずしもそうとは言えません。カメラに何を求めるかですね。ちなみに、このカメラはカメラ屋のものではありませんがレンズはライカという最高級のレンズを使っていますし、いまどこの製品もレンズはカメラ会社のものを使ってますよ。」そうなんだ〜 彼はその他にも光の取り方や、一眼レフのいいところ、小さいカメラのいいところなどを懇切丁寧に説明してくれた。その店で浜崎あゆみが宣伝しているカメラにすることにした(以後、あゆカメラと呼ぶ)。テレビで実は気になっていたのだ。手ぶれ補正してくれるというものだ。レンズの「ライカ」と言う会社は私でも知っているくらい有名!色々聞いて、あゆカメラにすることに決定!一つ前と二つ前のモデルがあり、かなり安くなっている。それにしようかとも思ったが、せっかく母への誕生日プレゼントだから新しいものにしようと決意。絶対に安く買ってやるぞ!とも決意!それからまた、店巡りを繰り返す…47000円くらいの定価のカメラが、さぁいくらまで安くなるでしょうか…

つづく…