季節

夜、九時半頃。家の外から声が聞こえた。


「鬼は外〜福は内〜」「おには〜そと〜ふくは〜うち〜」
何度か続けて聞こえる。母親の声と子どもの声。
多分隣の家だろう。
その声を聞いて、そうか、今日は節分か…と思い出す。
スーパーに行くと柊や鰯の頭が売っていたり、豆と鬼のお面が売っていたり、海苔巻きが売っていたりで、もうすぐだなぁと思っていたが、当日になってみるとすっかり忘れているものだ。隣の家族のおかげで季節の節目を感じられた。
我が家も、これから帰ってくる夫に豆を買ってきてもらって、小さな声で豆まきするかな。この時間だと、あんまり大きな声だと近所迷惑だしね。


小さい頃、我が家でも豆まきをやったなぁと、今思い出した。
「歳の数だけ豆を食べるんだよ」「お父さんとお母さんは食べるの大変だね〜」と弟と笑ったのを覚えている。季節の移り変わりは、家族の一場面を思い出させる。