父の夢

私は本当に沢山の夢を一日のうちに見る。今日も夢のオンパレードだった。
家族が沢山出てくる夢ばかりだった。残念ながら夫は出てこなかったけど。それは多分毎日会っているからだろう。と言うことにしておこう。
弟は何故か、小さい頃の弟。小学生くらいかな。とてもかわいくて懐かしかった。


いつもの夢のように、母と父と弟と普通に生活している夢だった。でも私は、父は死んだのに何故ここにいるんだろう?と思った。そんな風に夢の中で考えるのは初めてだった。
「父が死んだ」と言うことを夢の中でしっかり認識している私。
また一歩、私の中で「父の死」に対する思いが変わったのかな、と思う。


他の夢で、弟と父と3人でどこか南の国へ旅行して、食堂に入って話している時のこと。
食堂のおばさんの一人が日本語で話しかけてきて、実は日本人で現地で結婚したとのこと。旅の情報を色々聞いていた。カウンターからはとても美味そうな現地料理が次々と運ばれていく。席に座っていた父に、私たちもそろそろご飯を食べようかと話す。父も、「そうだね、そろそろ食べようか」と言った。すると、父のテーブルに食事が運ばれてきた(何故か鰻重の定食版)。私たちが話している間に勝手に自分だけ注文していたのだ!私は、お父さんなんて大っ嫌い!!自分のことしか考えていないんだから!と憤慨した。それから、弟とメニューを必死に見て頼もうとするが字が読めなくて頼めない…という夢だった。
夢の中で「お父さんなんて大嫌い」と思うのも初めてだった。


父が生きている頃だって、別に「お父さん大好き!」と日常的に思っていたわけではない。嫌だなと思う時だってあったし好きだなと思うこともあった。大嫌いと思ったこともあった。ただ、心から尊敬していた。でもそれだって、日常の一こま毎に「尊敬しているよ」と思っているわけではなく、自分の心の奥底にあったものだ。
夢の中の父はリアルだった。父は自分だけ勝手に色々する性格だった。母はよく、一緒に旅に行ったって、一人でトコトコ歩いて言っちゃうんだもん。と言ってた。自分の道を突き進む性格だった。ダイニングテーブルの一角を自分の仕事場にしてしまったり、仕事をしだすと、話しかけても聞こえなかったり。


父への愛情を強く実感したのは、父が末期の癌だと分かった頃だ。
仕事中に時間をもらって父の病院に会いに行った。そのころの父はまだ元気で私が行くととても喜んだ。必ず花を買って行く。「nekosiroちゃんが生けるとやっぱり違うなぁ」「娘はお花を習ってるんですよ」と病室の人に自慢したりしていた。父は自分が今読んでいる本のこと、社会や政治について、病院生活についてなど色々話してくれた。私は、仕事に戻らなくてはいけない時間になっても、そこを去りがたく、ずっと父の話を聞いていた。
子どもを作ることも真剣に考えた。父に孫を抱かせてあげたかった。退院したら一緒に住むことも真剣に考えた。どれも考えた結果しなかったけれど、父に対する思いはどんどん大きくなっていった。
父への愛情を強く実感したのが、「父の死」が見えてからなんて、なんて自分は愚かだったんだろうと悔やむ。とてもとても遅すぎた。父と私に残された時間は、あまりにも短すぎた。


相手を大事にしたいと思った時に大事にしないとダメだ。人間関係は一瞬一瞬が大事だと思う。次があるかどうかなんてわからない。人生は永遠ではない。もっと父との時間を沢山作れば良かった。父に話したいこと、感謝したいことが沢山あったのに。


まだまだ色々今日のブログには書こうと思っていたが、やはり、入院中の父のことなどを思い出すと涙が止まらなくなって、とてもじゃないけど書き続けられないようだ。
まだ、父の死は私の中でとても大きい。それは当たり前のこと。だって、父が死んだんだから。
少しの時間、父のことを思い出して泣こう。今日は夫が泊まりで帰ってこない。自分で元気を回復するために、他の人のブログをのぞきに行って元気をもらおう。
また、色々書きたい時が来たら書こう。まとまらないブログでしたが、最後まで読んでくれてありがとう。