タイでのこと⑤

話は④と前後するが、一人旅出発前日くらいのことを書こう。
バンコク中心部にあるHIS旅行社にラオスのビザを取りに行った。私は15日のものが欲しかったのだが、扱っていないとのこと。しかも、30日ビザも高い。
ということで、自分でラオス大使館へビザを取りに行くことにした。


朝10時に起きて、地図を広げラオス大使館を探すこと数十分。どこにもない。「街の東側」とあるがない。あきらめ半分、ガイドブックの地図を見る。こちらはとても大雑把だから期待できない。んんん!目的地の通りがあった!しかも難なくラオス大使館も発見!そして私の中で東と西が逆になっていたことも判明・・・そういえば小学校のころから良く間違えてたよな〜お恥ずかしい。でも、私の最初に見ていた地図にはラオス大使館が載っていなかったことも判明。私の数十分を返してくれー!だって、ラオス大使館は午前中しかビザの申請を受け付けていないのだ。時すでに10時50分・・・急げー!!


BTSという高架橋を走る電車で2駅、地下鉄に乗り換え3駅。そこからかなり歩くことを考えると1時間はかかる。超ギリギリじゃん。というか、間に合うのか?駅から猛ダッシュすることを決意する。しかし、駅からの地図が大雑把過ぎてわからない。屋台のオヤジに聞くと、歩くと遠いからバイクタクシー(バイタク)に乗って行け、10バーツだと言う。つまり30円。ニコニコ笑うバイタクの運転手。しかしこの国でバイクに乗ろうとは到底思えない。蛇行運転しかり、割り込み運転しかり、超細い車間を猛スピードで走り抜けるなど超危険運転なのだ。私は歩いていくわ!と言って道を聞く。途中時間が気になって走ってみたりする。あ!これか?と思う大きな塀に鉄格子。しかし、どうも、中華風というかんじ。正面に行くと韓国の領事館か何かだった。そこでまた、道を聞く。とても歩いていける距離じゃないからタクシーで行ったほうがいいと言う。タクシーまで拾ってラオス大使館までと通訳までしてくれた。サンキューコリアン!しかし、なぜか最後に「Are you コリアン?」と聞かれた。これだけたどたどしい英語で話しているのに何故コリアンに見えるのだ?私は話していた人がてっきり韓国人かと思っていたが、タイ人だったのか・・・お互いアジア人同士見分けがつかない。拾ってもらったタクシーで15分ほど。確かに、歩いたら大変だったし、こんな道分からなかっただろうな。



12時10分前にラオス大使館に到着。よっしゃーと気合を入れて入り口へ。しかし、わけの分からないタイ語で、とにかく困惑顔で入れてくれない。私もたどたどしい英語でまだ、午前中なんだから入れてよと抗議するがだめ。というか英語が通じていない。時計を見せて、12時をさして、まだでしょと言うと、彼は40分を指してここでクローズだと言う。なんでーガイドブックに書いてあることと違うやん。まぁ、そういうことは多々あることだが・・・私は、また明日来る羽目になるのかと思っていると13時に来いと言う。午後もビザが取れるのかと聞くとOKだという。申請用紙もくれた。これまたガイドブックと違う・・・私の持っているラオスのガイドブックが古い上、ラオスは近年変化が激しく、いろいろな事情が激変しているらしい。まぁ仕方ないか。でも、午後も申請できて良かった。


近くの野外食堂(一応屋根はついていた)でタイのガイドブックを読みながら時間を潰す。あまりの暑さに、水を買う。ウォータと言ったのにコーラが出てきた。前にも間違えられたことがある。タイの発音だと二つは似ているらしい。ガイドブックのビザのところを改めて読んでいると、やはり、ビザの発給まで3日かかるらしい。明日出発のはずだったが仕方ないか。ッていうか、そんなぎりぎりにやるなってかんじだが。私はどうも、あまりバンコクを好きになれない。友人は盛んに街に行ったらと言うが、まるで東京にいるみたいで、することがない。ここにあと3日もいるのか・・・などと思いつつ、申請用紙に記入していく。分からない英語だらけ。パスポートを出してみると、いくつか解決した。


13時になり勇んで再びラオス大使館へ。今度は笑顔で迎え入れてくれる。写真を貼って受付へ。1200バーツ=3600円払う。本当は一ヶ月のビザではなくて15日間のビザが欲しかったのだが(もちろん料金も半額)大使館では取れないと言う。ここでもか!くそー1500円損した。ビザがもらえるのは3days agoかと聞くと今日だと言う。危なかった、帰ってしまうところだった。待合室には同じようなバックパッカー風の欧米人が何人かいた。40分くらい待って晴れてラオスのビザを取得した。これで明日出発できるぞ!(次の日④で紹介したタイの北部チェンマイへ。)


帰りは直線距離でアパートまで近かったのでタクシーで帰ることに。タクシー→地下鉄→BTSというのが面倒くさかったし、料金的にもそんなにかわらないのでは?と思い、一人初タクシーに挑戦。初老のドライバーで地図を見せて何回も目的地を言うがなかなか理解されず。でも無事に着いた。料金も40分乗って120バーツ=360円。安っ!タクシーのルームミラーに仏教のお供えの花と仏僧の写真のフレームがかかっていた。黄色いカーネーションのような花と小さなジャスミンのような白い花が糸によって藤の花のように繋がれている。それが束になってかかっていた。まだ新しい花のお供えは(車によっては枯れている物もある)とても良い香りがした。その香りで少し気分がほぐれる。それだけでなんだか得した気分になる。このお供え物は街角でおばさんたちが机を出して、その場で作りながら売っている。
街の至る所で見かける。


ラオス大使館への道のりは色々あったけど、自分で大使館に行ってビザを取るのはなかなか気分がいい。自分で旅を作っていると言う気分になるからだと思う。私の旅生活も少しずつ充実してきていた。