弟の背中

大分に就職した弟がお盆休みで帰ってきていた。ちょうど、友人たちと海岸で音を出しながらキャンプをする予定があったので誘うと、喜んで来た。私が誕生日にあげたバックパックを背負って。私は夜からの参加だったが、夫と友人と合流して九十九里の荒波を楽しんだらしい。誰もいない海岸にテントを3つ張り、私がカートに乗せてうんせうんせと引っ張ってきたタープ(テントのデカイバージョンで下がない)の中にDJブースを作り、次々と曲を流していく。私の弟は大学時代レゲェのセレクターをやっていたので、実は持ち主も使い方をあまり分かっていなかったCDJなどの使い方もみんなにレクチャーし、大人気だった。各自がそれぞれ持ち寄ったCDをかけながら、周りで踊りながら昇天していく仲間たち。そして突然海に飛び込む人もいて、ちょっと危なかったが、事なきを得た。私は早めに寝たが、最後まで残った3人は(夫も含む)4時くらいまで昇天し続けたらしい。↓最後まで友人と夫を昇天させたDJ。これくらいなら顔出しOKだよね。(って言っても彼はこのブログを読んでないけど…肖像権侵害?)


次の日の朝は、目が覚めるとテントが揺れている… それでも無理に寝ていると、船酔いのようになってきて、仕方なく起きた。もの凄い暴風。小雨もちらつく。台風の接近のせいだ。仕方がないので、タープやテントは撤去して、朝ご飯&温泉に入って帰ろうとなった。が…朝ご飯を食べ終えた頃には見事な晴天。これも台風の影響か…


やっぱり海に行こう!!となり、行ったものの、海水は枝やら海草やら浮いていてかなり汚いし、ちょっとでも沖に出ると(と言っても膝丈くらいの場所)「そこの何色の水着の方、危ないので沖に出ないでください。戻ってください」とアナウンスがかかる。全て台風のせい。男性陣は5人でフットサルに興じる。木を二本拾ってきてゴールを作り、1人がキーパー、二人ずつの組になって、シュートが決まるとハイタッチしている。弟が楽しそうで私は嬉しかった。


女性陣はビールを飲みながら観戦。
弟は昔からガリガリだったのだが、大学時代から鍛え始めて少し筋肉が着くようになっていた。しかし、今は以前より腕周りが太くなっている。弟は最初証券会社に勤めたが、人を騙すような仕事の仕方に耐えられず辞めてしまった。その後、何をするでも無しに実家にいたのだが、「東京はいやじゃ。人が多いいけん。」大学時代、大分にいた彼はそちらの生活が恋しいようだった。「自分には田舎があっとるっち」(大分弁と福岡弁が混ざっていて、時々何を言っているのか分からない)と言っていた。そして、見つけた仕事が「木こり」。林業を仕事に選んだ。
毎日山に入って、草を刈ったり、木を切ったりしているらしい。自然と筋肉も倍増された訳だ。
弟の背中を見ていて、私は何だか嬉しかった。弟らしい、彼が生き生き出来る仕事が見つかって良かったなぁと思ったのだ。なかなか模索が続いていた弟だったから、今生き生きしているのが本当に嬉しいのだ。

「ポーズ取ってよ!」というと、こんなんや

こんなポーズを取ってくれた。
弟の背中はたくましかった。背中から彼の生活の充実感が伝わってきた。本当に良かった。心から思う。暑いビーチで1人感慨深げな姉nekosiroであった。
弟よ!我が道を進め!姉は応援しておるぞ!!