感想きちんと最後まで

ブログを書いている途中で夫が帰ってきたため、夕食になってしまった。「制作中…」としたまま忘れ去られること2日。きちんと最後まで感想を書こう。
では、前回のおさらいから…


夫の持ち帰り残業に付き合って私も読書を始めた。最近、「半島を出でよ」村上龍著を読んでいたのだが、本の重さに途中で挫折しかけていたので、新しい本に手を伸ばした。
容疑者Xの献身東野圭吾著だ。134回の直木賞を受賞した作品。

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

夫と友人が絶賛していた。id:marchsnowさんもブログに書いていて、ちょっと気になっていた作品だ。
感想は…なかなかどう文字にして良いかわからない。読み終わった後、少し涙が出た。marchsnowさんが言うように、ある意味ハッピーエンドなのかもしれない。思いが伝わったという意味では。しかし、最後の最後までやられた。何故気付かなかったのだろう。このミステリー自体が巧妙に作られている。実に巧妙だ。


ここからが本日書く部分。


私はやはり、ハッピーエンドとは言い難いのかなと思う。というか、この小説においてはハッピーエンドかどうかはあまり関係がないきもする。
主人公の石神が隣に住む靖子を何故好きになったのかが、最終部分で分かるのだが、とても人間的であたたかい。彼の中に「人間性」という物が芽生えたことが素晴らしい。しかし、事件のトリックもその彼の人間性の発露によって暴かれてしまう。そこが悲しくもある。彼の中にある「非人間性」と「人間性」の結合がこの事件を複雑にしている。
題名の「献身」という言葉が本当に実感させられる。彼が何故そこまでして彼女たちを守ろうとしたのかが、好きになった理由から考えさせられる。人はどこまで他人を愛することができるのだろうかと考えさせられた。


この一冊は是非皆さんに読んで欲しい一冊だ。