父の夢

最近沢山の夢を見る。何故か実家での生活が多い。そして頻繁に亡くなった父が夢に出てくる。夢の中での父は元気で私たちと普通に生活している。ある日の夢で私は食卓で一緒にお餅を食べる父に、「そうだお父さんに相談してみよう。」と思った。何の相談だったか分からないが。しかも、相談する前に目覚めてしまった。


夢の中での父の位置が変わってきている。これは少し前にも書いたが。


父が亡くなってから一年くらい私の夢に父が幾度も出てきた。大抵実家で普通に一緒に生活していて、私は「あー死んでしまっても、こんな風に一緒に生活できるなら、死んでも生きているときと変わりないじゃん。良かった。」と夢の中で毎回思うのだ。それはとても不思議な感覚の夢だった。元気な父と普通に生活しながらそう思っているのだ。


最近の夢も内容は依然と変わりない。元気な父と一緒に普通の生活を送っている。しかし以前のように「死んでしまっても…」と思っている自分はいなくなって、ただただ夢をみている。


この変化は、自分の中での「父の死」の捉え方が変わってきているからではないかと思う。自分の中で「父の死」が確実なものになってきているのだと思う。今までは父の死が理解できなかった。父が死んだと言うことが不思議でならなかった。今でもその気持ちは少し残っているが、以前とは格段に変化している。「父の死」を自分の中に受け入れつつあるのかなと思う。「父の死」を理解するための思考の迷路からは抜け出せつつあるように思う。



しかし、受け入れたからと言って、悲しみがなくなるわけではない。号泣する機会は減った。遠くに父を思う機会が増えた。でも、たまらなく寂しくなるときがある。「父の死」を肌で感じてしまうときがある。


今英語を勉強している。父に嫌々ながら習っていた英語。父によくブツブツ言われながら勉強した英語。父が熱意を持って教えた英語。私が今自発的に英語を勉強していることを父が知ったら、心から喜ぶだろう。英語を勉強していると必ず父のことを思い出す。こんな私の姿を見せたかったなと思う。