タイでのこと④

タイに来てからずっと友人と一緒だったが、ついにひとり旅に出発することに。チェンマイという北部の街でトレッキングを目的に行くことにした。友人はnekosiroが一人旅できるわけがない!と言い張りかなり心配していた。なぜなら、カオサンのゲストハウスにいたとき、すぐそばのワットポーにも辿り着けず、変な親父に絡まれまくっていたからだ。友人は、「でも可愛い子には旅をさせろって言うしねぇ…ふう」とか言っているが実は私より5歳も年下。でも貫禄十分。友人の心配を後に私は夜行バスで旅立っていった。


夜行バスには日本人は、というかアジア系はタイ人一人を除いて私だけ。他は欧米人だった。18時出発のはずが19時にやっと出発した。みんな私より遥かにでかい荷物を背負っていた。みんなバスの下にバックを入れていたが私は持ち込む。VIPバスだと言っても、睡眠薬を飲み物に混ぜて眠らせて金品盗む事件なども発生しているとガイドブックで読み、出されたものは絶対に口にしないぞと気を張る。でも、何も出てこなかった(笑)


途中休憩所に立ち寄る。最初はみんなバラバラだったが、2グループぐらいに分かれて会話が始まった。数人での参加も一人での参加もいたが、みんな英語でつながっていく。私はマンツーマンだったらまだ、ゆっくり話してもらえれば聞き取れるが、時々単語が分かるくらいだった。なんだか孤独を感じだ。その時は英語が喋れないと言うことは世界の中でかなり孤独だな〜なんて考えたりしていた。


バスの中では自分の睡眠薬も飲んでいないのに爆睡だった。どうやら車に乗ると眠くなると言う性質らしい。貴重品はすべて身につけ毛布を巻いて寝る。結局怖いことは何も起こらないままGoodmorning!と起こされた。バスを降りてからはトラックの荷台を改造したようなシムロー(名前違うかも)という乗り合いタクシーにぎゅうぎゅう詰めに乗せられてゲストハウスの近くまで行く。隣の男性の腕に刺青が入っていた。よく見ると3段になっていて、上から横に丸加無、マルカム、まるかむと書いてあった。(かなりダサかった…)そこで刺青を指差してYour name is MARUKAMU?と思い切って聞いてみた。YES!と嬉しそうに笑う彼。私は日本人だよ〜と少し話す。が、会話が無くなってお互い笑顔だけ…みたいな状態に。後から思えば、Do you like JAPAN?とか色々話せたのにな〜と悔しく思う。とっさに英語って出てこないもんだなぁ。でも、自分から話そうと思ったり、話したいことがあると言うことが重要だなと思った。話したいことや意欲があれば何が何でも言葉をつなごうとするもんね。でもまぁ、私の単語力は微々たる物だからたかが知れてるけど… 宿に帰ってから言いたくても言えなかった単語を調べる。なかなかこれが楽しい作業だった。


日本に帰ったら本格的に英語を勉強することを決意したバスの旅だった。


とにかく、無事チェンマイに着きましたので、皆さんご安心くださいませ。チェンマイバンコクより田舎でノンビリしていていいよ。至る所にお寺がある。次の日から山岳民族に会いに行くトレッキングツアーに参加する計画。(それがとんだことになるが…また今度)当初、ガイドブックで評判の良い日本人経営のツアー会社を利用しようと思っていたら、行ってみたら「2005年3月15日をもちましてツアー業務を終了させていただきます」と書いてあった…はぁ。くじけず、日本人の奥さんがいるゲストハウスにチェックインして、そこで日本語が話せるガイドがいると聞き一安心。新たな旅が始まる予感。