思い出の八重桜

八重桜の並木道を歩いた。ふと小学一年生の春を思い出した。

校庭には何本もの八重桜が満開だった。真ん丸のふんわりした花が地面にも沢山落ちていた。母と一緒に落ちている花を集め糸でつなぎ首飾りにした。二つ作った。一つは大好きな担任の先生に。もう一つは大好きな六年生のお姉さんに。渡した時のことは覚えていないが、母と花を拾い集めたのがとても嬉しかったのを覚えている。

垂れ下がった幹に咲く八重桜に触れる。あたたかく、やわらかい。優しい思い出の花。