当たり前のこと

nekosiro2005-04-15


夫と出会って好きになったものが沢山ある。その一つが映画だ。彼と会うまでは「映画」とはデートの時に行くものだと思い込んでいた。映画そのものの良さがどうとかではなく、単なるデートスポットだと思っていた。彼と沢山の映画を観る中で、自分のなかに映画を観る意味が見えてきた。映画は私の人生を確実に広げていった。
今日は出掛けたついでに一人で映画を観に行ってきた。みのがしていた森崎東監督の「ニワトリはハダシだ」がポレポレ東中野で今日までアンコール上映だと知り慌てて観に行ったのだ。
戦争中の朝鮮人の強制連行や在日朝鮮人への差別、知的障害児へのケア、警察社会の汚職問題、家族や人間の絆などテーマは盛り沢山だった。題名の「ニワトリはハダシだ」という意味は東北地方に古くから伝わる民謡の「おこさ節」の一節に出てくる言葉。“わかりきったことのたとえ”だそうだ。同時に庶民の感情を表現する言葉として各地でさまざまなニュアンスで使われているらしい。パンフレットの中で森崎監督は「それだけの意味ではなくて、使う人によっていろいろな解釈ができる。つまり誰もが自分の人生哲学を持って生きているということ。当たり前のことが当たり前ではなくなってきた世の中への違和感もこめている」と述べている。」
家族が一つになっていく様子が、今それが当たり前でない中印象的だった。私は私らしく生きていきたい。私は当たり前のことを「当たり前だ〜!!」と大声で叫び続けられる人間でいたい。「ニワトリはハダシだ〜!」と。