大分旅行でのこと

自分がどう老いていくか考えた。
大分駅で、足の悪いおばぁちゃんから「この電車は豊後竹田に止まりますか?」と聞かれたが分からず、駅員を探す。「6番ホームから変わったとアナウンスがあった」とおばあちゃん。駅員さんが調べるが6番線で良いらしい。たぶん他のアナウンスを聞き間違えたんだと思う。わざわざ6番線を降りて3番線に上ってきた。その歩みはとてもゆっくりだ。つえをつきながら、左足を引きずるようにして、進んでいないかのような速度で進む。このおばあちゃんがまた降りて、上ってを繰り返さなくてはいけないと思うと、なんだか心が痛む。しかも発車まで五分しかない。「あと五分しかないから急がないと!」と駅員。急げる人と急げない人がいるのだ。間に合うかな。「バスで帰りたいと思ったけど、電車のほうが早いと思って。」と言っていた。間に合わなかったら次の電車は一時間近く待つ。間に合わずベンチでぽつんと座るおばぁちゃんを思い浮べる。何だか淋しい。
老いることは悲しいことではないし、同情すべきことではない。それはわかる。でも今の社会はあまりに老人に冷たくはないか。駅の階段一つとっても、なぜ全ての駅にエレベーターやエスカレーターをつけないのか。医療の問題だってそうだ。負担がどんどん増えて病院に行かないお年寄りが増えている。少ない年金の中で食事を削り、医療費を削りなんとか生きている人もいる。誰もが年をとる。誰もが経験することに対しては国として保障をしっかりすべきだと思う。
自分はどう老いていくのだろうか。社会を少しずつでも変えながら生きていきたい。