インド人御一行③

さて、羊羹をみんなで食べて人心地ついてから、本日のメイン企画へ。しかし、やはり所長さんは具合が悪いから休んでいるという。それでは布団を出そうかと言うのだが「いい、いい座布団があるから」と言う。いやでも、と思い、枕とタオルケットだけ出しておく。そして、もし困ったら私の携帯電話に電話できるようにメモをする。


さて、その企画だが、千葉の青年たちが広島の原水爆禁止世界大会にバス2台で行くツアーを組んでいて、本日はそのための学習会。被爆者の方の話を聞くそうだ。
本当は到着日は我が家で友人を呼んで歓迎パーティーを開こうと思っていたのだが、友人の1人に声をかけたら、こういう企画があるから是非来てくれないかとのこと。彼らも平和を願う日本の青年と直に触れる機会はそんなにないだろうからと勝手に快諾した。彼らから日本の青年へのメッセージもお願いしたいとのこと。これも快諾した(笑)インドのメンバーに話すと、それこそ快諾してくれた。
被爆者の方の話を聞くのは私自身実に2年ぶりで、「戦争はまだ終わってはいない!!」と強く感じた。


1人英語を話せる学生が二人の間に座って訳していたのだが、1人はコックリコックリ船をこぎ出した。あ〜まずい… しかし、よく考えてみると彼らは15時間以上かけて夜中日本へと向かってきたのだ。飛行機の中でもあまり眠れなかったと言っていたのを思い出す。来る途中に「疲れている?大丈夫?」と言うと二人とも「全然疲れていないよ!大丈夫だよ!」と言うのだが、本当に疲れ切っているんだろうな〜と見ていて思った。本当は学習会後にみんなで食事をしながら交流する予定だったのだが、彼らも来る途中で1時間くらいで帰りたいと言っていたし、所長さんも家にいるし、急遽我が家で食事をすることになった。学習会で話を聞きつつも、どうやったら本日の夕食がスピーディーかつ美味しく、かつ日本的にできるかが頭を回っていた。
被爆者の方の話を聞き終わり、インド代表として紹介された彼らは1人ずつ挨拶をした。広島と長崎の悲劇を決して繰り返してはならないということを強調していた。その為に自分たちはインドから来たし、私たちは手を取りあって世界の平和のために頑張ろうと言っていた。二人ともかなり長いスピーチをした。彼らの平和への思いが吹き出したようだった。彼らのスピーチの後、休憩時間になり、みんなで集合写真を撮る。そして、通訳の青年を介しながら色々な青年と語る彼ら。握手したり一緒に写真を撮ったり。被爆者の方も英語が話せて、インド代表と話をしていた。結局2時間その場にいたのだが、彼らは「青年たちと交流できてとても楽しかった」「こんな場を作ってくれてありがとう」と感謝されてしまった。感謝するのはこっちだよ〜 疲れただろうに。さぁ、家に帰って、速攻美味しい日本食を食べさせてあげますからね〜


帰りにスーパーに寄る。彼らが来る前の晩に作っておいたカボチャの煮物と大根の煮物を今日出してしまおう。そして宗教上牛肉と豚肉は食べれないため骨付きの鶏肉をチョイス。1パックに5本入っていたので、私が3パック手に取った。男性が3人もいるしと思い。しかし、彼らは「僕たちはそんなに食べないから1パックでいいよ」と言う。しかし1パックというのもなぁと思い2パックを籠に入れると、「そんなに食べないよホントに」と言う。「私の夫も帰ってきて食べるから大丈夫だよ」と言う。そして、茄子の味噌炒めを作るために茄子を買い、次の日の朝食用に卵やゴーヤ、サラダやお味噌汁の材料、初物のサンマを4尾を買う。この時も魚を見て、「僕たちあまり魚は食べないよ」と言うが、まぁ日本食にトライしてもらおうと買い求め、ついでに納豆も買った。重い荷物も彼らが持ってくれて楽チン!!さて、家に帰ってみると和室の電器を半分消して、所長さんがタオルケットを頭までかぶって寝ているではないか…!!私はかなり心配したが、他の二人が彼は大丈夫だと言う。どんな根拠があるのか分からないが、所長さんがそう話したのだろう。休んだせいか、随分元気になっていた。


さて、ここからが勝負。みんなには「休んでいてね。すぐに夕食の準備をするから」と言ってキッチンへGO→
まずは慌ててご飯を炊く。そして鶏肉を醤油とミリンと酒と砂糖で甘く煮付ける。同時並行で茄子の味噌炒めを作る。サラダも作る。その間に冷蔵庫にしまってあった煮物類を暖める。サラダには茗荷や紫蘇など日本のハーブを入れた。
みんなで食卓に着くまでに所要時間30分。なかなか頑張ったnekosiro。障子をノックして「入るよ〜」と言って入るとみんなリラックスしていた。う〜む、畳っていいねぇやっぱりと思う。食卓に着くと所長さんが「スプーンを下さい」と言った。食卓にはもちろん箸が箸置きに乗っていた。3本用意してみんなに配る。初日本の二人は一生懸命箸を使おうとするが断念。スプーンで食べ始めた。食事をしながら色々話すが、私は電子辞書が手放せない(笑)右手は箸、左手に辞書…みたいなかんじだった。私が「インドの人は手で食べるんじゃないの?」と聞くと、そうだよ〜!!と言って、1人は手で食べても良いかと言うので「もちろん!」すると器用に手で食べていく。指が熱くないのかしらと思いつつ。でもカレーも手で食べるんだから、これくらいの熱さは大丈夫だよねぇとも思う。「僕らはそんなに食べないよ」と言っていた骨付き鶏肉。大好評でした!!一番食べないと言い張っていた人が黙々と鶏肉に手を出しているのが嬉しかった^^v でも、みんな黙々と食べるので、何だか「お口に合わないのかしら〜(T_T)」と思っていたら、人心地ついてから「とても美味しい夕食だった!」「日本料理は美味しいね」「この味付けは何?」など聞かれて嬉しさ倍増(^3^)/ 明日の朝食も頑張るぞ〜 と気合いが入る。


みんながご飯を食べている間に、急いでお風呂の用意をする。日本の湯船は初めての体験だろうから!!と。でもきっと熱いのには慣れていないだろうからと、ぬるめのお湯にする。ご飯を食べ終わって、休憩している彼らに「お風呂どうぞ」と言うと「私は朝入るよ」「僕も朝入る」と二人は朝派と言うことがわかる。そして、1人は夜入ることに。湯船を見せて説明したが、熱いお湯は嫌いだよとのこと…そして、シャワーの温度も薄ら寒い夜だというのに冷たい水がいいという。文化の差をココでも感じる。この日はみんな疲れていたのに寝るのが11時半になってしまった。普段は10時〜11時に寝ると聞いていたので悪いことしたな〜と思う。明日の朝、何時に起きるかを決めて、おやすみ〜と障子を閉める。私は隣り合わせたキッチンでそろりそろりと洗い物や朝ご飯の支度をする。すると「ゴフゥ〜ゴフゥ〜」と速攻イビキが!!そうね、疲れてるもんね。でも、寝付きがよくて良かった。


さて、次の日はどうなることか…
まだまだ話題満載だが、今日もこんなに長く書いてしまった。読んでくれた皆さんありがとう。
つづく…