タイでのこと①

タイやアジアの国々は先進国の売春の温床になっている。特に日本からは「売春ツアー」なるものがあるくらいだ。私自身、それを実感することが容易にできる。街を歩いていると明らかにおじさんと見受けられる男性と若い綺麗なタイ女性が一緒に歩いている。これは全て売春だ。欧米人にも日本人にも出会った。そういう男性の格好は大体決まっている。上はゴルフシャツかポロシャツ、下はハーフパンツ。なにかマニュアルでもあるのか?と思ってしまう。バンコクには「ハッポン」という日本人の遊ぶ街があるくらいだ。夕方くらいから、その周辺はにやけた顔の日本人男性であふれるらしい。そういうのを見ていると吐き気がしてくるが、自分の国の問題として考えなければいけない気もする。同じ日本人が売春目的でタイに来ていることを、自分とは関係ない問題としておくことはできない。しかし、どうしたらいいのかは考え付かない。

昔読んだ、アジア女性の問題についての本で著者がこんな風なことを言っていたのを思い出した。

昔、日本はアジアの諸国を戦争によって侵略した。現在は経済的に、そして性的にアジアを侵略している。

この表現はその時も衝撃を受けたが、アジアの地に立つと強く実感することになった。

おじさんとタイ女性のカップルを見ると、「性的侵略」という言葉が本当にしっくりくる。海外からの売春で相当この国は潤っているだろう。経済的に潤っている女性も沢山いるだろう。しかし、それは本当の潤いではない。国家として本当の独立を勝ち取っていないのではないかと思ってしまう。(日本もアメリカからの独立を勝ち取ってはいないが・・・)

女性が売春ではなく生活していけるような国家作り、そして先進国の中ではモラルの向上が求められると思う。世界的な規模で女性の性をどう保護していくのか、どう女性が真に自立していくのかを考えていかなくてはならないと思う。人間が人間としていきいきと生きられる社会を作りたい。